知恵だより 016号

Sep. 28 1999

再び、干しトウモロコシについて

中足寄
松本さんの奥さんとトウモロコシ

99年9月28日、気温:12度、天気:晴、風:東
出発地:足寄町・上足寄=北緯43度18分19秒/東経143度01分30秒
到着地:足寄町・新町=北緯43度15分56秒/東経143度35分43秒
歩いた距離:19Km

 今朝は上足寄から谷を下って足寄に向かいました。小さな農家の間に、誰も住んでいないようにみえる家が何軒もあり、広々としたビートやトウモロコシの畑、マメを干してある畑などが両側に続く道を歩いていて、松本さんという農業を営むご夫婦に出会いました。

 野菜を売っている店が道のすぐ脇にあります。野菜をのせる台は全部木でできていました。

 一角にはとれたてのジャガイモ、カボチャ、ナス、トウモロコシがあり、別のコーナーには、大きな切り株から作ったテーブルや手作りの木製の腰かけイスが置かれています。店の中にいたエプロンをして野球帽を少し傾けてかぶった女の人が「何か欲しいものがありますか」といいました。

 伝統的な竹のかごと同じように、プラスチックの荷づくりテープを編んで作ったカゴが目を引きました。カゴの前に立っているとさっきのお店の人が近づいてきて、「全部手づくりなんですよ、こういうものを作れる人は今は少なくなりました」といいながら笑いました。

 そういう技を持った人が減るのは残念ですといって、おばさんに知恵めぐりの旅について説明しました。

 彼女は大きな袋の中からトウモロコシが入った小さなプラスティックの袋をとりだしました。

中足寄
お店でくつろぐ松本さんと奥さん

 「ほら、干しトウモロコシ。近ごろの人たちはみんな冷凍の野菜を食べるけれど、冷凍すると野菜の栄養が減るんですよ。日に干した方が栄養価が減らないんです」といいます。

 どうやって干しトウモロコシを作るのか聞きました。

 「まずトウモロコシをゆでて、日に干します。干すと野菜が取れなくなる冬まで保存できます。食べるときは、それを水に浸け、1、2度水を取りかえて煮ると、おいしいトウモロコシ汁ができます。以前は子どもがよくおやつに食べたものです」と教えてくれました。軽くて持ち運びには便利だし、とってもおいしくて、健康にもいいので、知恵めぐりの旅にぜひ持って行ってくださいと、そばにいた娘さんがいいました。

 せっかくなので、ありがたくひとつかみ頂きました。「煮沸してあるから殺菌されているし、こういう乾燥物は大丈夫。自信をもってすすめします」と娘さん。トウモロコシは僕のおなかに入り、それを保存する健康的な方法は僕の知恵袋に入ることになります。

 おばさんはまきを火にくべました。大きな鉄のかまでジャガイモをゆでているのです。かまは大きな五右衛門風呂のようです。

 さよならを言おうとしていたところへ小型トラックがやって来てきました。ゆっくりとトラックから降りてきたのは松本さんでした。

 一緒に温かい麦茶を飲むうちに打ち解け、環境を大切にしない若者をどう思うかという話しになりました。

 「この頃は残った食べ物を何でも捨ててしまう。若い者は仕事をしなくなったし、何でも機械まかせ。家の戸の前まで自動車で乗りつける」と、静かに、しかし厳しい口調でいいます。「簡単なことだけど、がまんが必要だ。人は辛抱しなければならないに、今の人はがまんすることがない。機械が壊れたら、直さないですぐに捨ててしまう。昔は何でも直して使ったものだ。贅沢にするから、環境がわるくなるんだ」

 奥さんのほがらかな親切と松本さんの手厳しい意見がちょうどいいバランスを保っているようでした。ふたりにもう一度お礼を言って、足寄をめざして歩きだしました。

 グレッグ

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