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| Oct. 1 1999 |
車にひかれる動物たち
糠平パトロールの車の前に誇らしげに立つ、道路保全の作業員 99年10月1日、気温:8度、天気:曇り、風:西
出発地:上士幌町・黒石平 北緯=43度20分24秒/東経=143度15分53秒
到着地: 然別湖 ・熊沢 北緯=43度19分42秒/東経=143度8分32秒
歩いた距離:20Km芽登からの道は、ゆるやかな丘の間をうねっていました。牛に注意、と書かれた標識はどこにも見当たりません。使われていない畑が、背の高い草でおおわれていました。丘にそって所々、植林されています。細い二車線の道が糠平(ぬかびら)国道にあたるまでは、車もまばらでした。
国道に入ると、両側の丘が、広葉樹と常緑樹でおおわれていました。急こう配の山々が道路の南西側にある小さな川へと傾斜をなしていました。泉翠橋を渡ると、昔、北海道の広大な森から切り出した材木を運んでいた古い鉄道の線路が見えました。観光バスと木材を積んだトラックがびゅんびゅん音をたてて走っていきます。
糠平の町は、古い温泉町です。林業が盛んだったころは、活気があったそうです。今でもホテルと温泉宿が道の両側にならんでいます。ここを訪れる人の車は、だんだん減ってきているそうです。仕事に行く地元の人の車と、国立公園に行く観光客の車が切れ間なく行き交っていました。
ここ、大雪山国立公園のシラカバ、エゾマツ、トドマツ、ヤナギでおおわれた広大な森では、何の罪のない動物が、二車線の道路をものすごいスピードで行き交う車のバンパーにあたって死んでいます。一人の開発局の道路保全の作業員が私の注意を引きました。「道路で死んだシカ、キツネ、タヌキの処理をしているんです」と彼は誇らしげに言いました。「先週は、めったに見かけないイイズナもいました。山を越えたところでは、クマも一頭車にひかれていました」今日もキツネがひかれているそうです。今年、すでに14頭のシカの死体が処理されたともいいます。毎日の「道路保全」のパトロールで、道路脇の動物の死体を見るのは、つらいことでしょう。
「何で、動物は道路に出てくるのかなあ、といつも思う」とその人は言いました。「もしかしたら、道路を作った人間のせいなのかなあ、と時々思うけど、私たちは、人間のことも考えなくてはならないしね」
作られた道路の数とどれだけの土地を人間が開拓したかが、疑いなく、ここの土地に住む動物たちに影響しているのです。糠平で処理された動物の数が、まさにこのことを物語っています。北海道では、シカとキツネが観光客に食べ物をねだり、クマが頻繁に山から町にやってくるようになっています。人間は、自分たちが環境を変えてしまったことに、責任があります。そして今日、私たちは、自分たち自身がちゃんと生きていくことにも責任があるのだということにはじめて気づきました。この二つの責任のバランスをとることがどういうことなのか、もっと考えていきたいと思っています。
道端の標識は、野生動物に注意するよう、人間に警告しています。人間に注意するよう、野生動物に警告することができるのでしょうか?
グレッグ
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