知恵だより 020号

Oct. 2 1999

ゴミをあさるクマたち

阿寒湖ビジターセンター
阿寒湖ビジターセンターの大きなヒグマのはく製の前に立ってみました。

99年10月2日、気温:18度、天気:雨、風:北西
現在地: 然別湖 北緯=43度16分26秒/東経=143度6分11秒
歩いた距離:0Km(休息日)

 昨日、糠平(ぬかびら)湖を過ぎた後、峠をこえて、然別(しかりべつ)湖へ入りました。峠は、これまで歩いてきた中でもっとも高い場所でした。大雪山国立公園の天然林が細い道を包み込んでいます。一カ月もしないうちに、冬季閉鎖に入ります。マツやモミはあいかわらず緑のままですが、カンバは鮮やかな黄色になりだしています。カメラマンたちが、紅葉の写真を撮っていました。まるで、キャンプファイヤーの炭の火のように紅くなっている場所もあります。

 熊沢は、昨日歩き終えた地点です。そこで、大きなほ乳類がいたあとがないかどうか、念入りに森の中を見てみました。見える範囲にクマはいません。昨日歩いたところと、明日歩くことになるところは、クマが多いことで知られています。昨日の夜、東大雪博物館の河辺さんに北海道のクマについて聞いてみました。

 WSNのみなさんからあったゴミとクマの関係について聞いてみました。「クマがキャンプをする人たちが残したゴミをあさったり、えさをもらったりするのは、そんなに異常なことではない。だが、漁師小屋(番屋)を襲うのは、異常なことだ」(知恵だより007番を見てください)と川辺さんは言います。

 「クマが番屋を襲ったというその年に食べ物が不足していた、ということまでは分かっている。冬眠の前は、どんぐりがクマにとっては貴重な食べ物なんだけれど、年によって、どんぐりがたくさんあったり、そうでなかったりする。森に食べ物が十分なかったので、クマは番屋を襲ったとまでは想像できる。不思議なのは、どうやってクマが番屋の中に食べ物があるとわかったのか、だね」

 川辺さんは、他の地域ではみられない道南のクマの問題について説明してくれま した。

 「北海道の南には、クマがたくさんいる。食べ物がたくさんあるから。さらに南の半島部は、山が入り組んで続いている。人も山のなかで暮らしているんだ。人間とクマの生活する場が重なっている。お互いが近くで生活するから、クマはゴミや食べ物、人間と関わるようになる。北海道でクマに襲われる事件は、ほとんどがこの南の地域で起きている」

 川辺さんは、道南で研究が行われているとも教えてくれました。北海道環境科学研究センターがレーダーでクマの動きを追いながら、クマと人間の関係について研究をしているそうです。調査の結果、クマはゴミのあるところにやってくるということがわかりました。「ゴミ捨て場に食べ物があると分かったクマたちは、ゴミを求めて歩くようになるんだ」。

 クマが人間に慣れ、食べ物と人間の関係を知ってしまうと、クマにも人間にとっても危険なものとなるのです。

 グレッグ

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