知恵だより 023号

Oct. 5 1999

注意!注意!注意!

国道38号線をそれた小道の近くにあった用水路の流れ
狩勝高原国道38号線

99年10月5日、気温:4度、天気:曇り、風:南西
出発地:新得町・狩勝(かりかち)高原 北緯=43度09分53秒/東経=142度48分22秒
出発地:占冠(しむかっぷ)村トマム 北緯=43度02分57秒/東経=142度38分47秒
歩いた距離:26キロ

 はく息が白くなって、冬が近づいているのがわかります。凍えた足で狩勝峠まで登っていくと、目の下の十勝平野をすっぽり霧がおおって、まるで海のようです。

 朝早くから、面白い光景に出会いました。アメリカで、体育の時間やスポーツの前後に柔軟体操をしたことはあるけれど、今日のように道路工事の人と一緒に体操をしたのは、初めてのことです。

 7時30分、道路の工事現場で作業班の人たちが一日の仕事の準備をしているところでした。工事中の標識でかこまれた仮設事務所の前に集まった人が、カセットデッキから流れる音楽にあわせて体操をしています。みんなラジオ体操の全ての動作を覚えているみたいです。僕はいっしょうけんめい周りの人のまねをしながら、体を曲げたり伸ばしたりました。

 柔軟体操が終わると、朝礼です。現場監督が一日の予定をざっと説明して、安全について話します。

 「今日気をつけないといけないことはなんでしょう」と作業員たちに聞きます。「パワーシャベルの通り道は大変狭いので気をつけましょう。横を通る時も要注意です」と、ひとりがいいました。もうひとりは「高いところで作業する人は、物を落として人にケガをさせないように、自分が落ちないように気をつけないといけません」といいます。

 「油断したときに事故は起るものです」と現場監督がいうとみんながうなずきました。

 工事現場は、道路脇の見上げるような高さまで続いています。

 朝礼の最後に、全員が人さし指を立てて、「慎重に作業する。よし!」と三回続けていいました。それが終わるとみんな自分の持ち場に別れていきました。

丘の上で作業するパワーシャベル
狩勝高原国道38号線

 「毎朝みんなで集まって、体操をし、仕事の手順を確認した上で、危ない点にについて話しあいます。危険な場所で働くので、安全が一番です。朝礼は事故を防ぐための方法ひとつです」と現場監督の水本敏行さんはいいました。

 朝礼などの集まりはよく日本人が集団で行動するという例として取り上げられますが、今朝の朝礼はとても合理的だと思いました。毎日のくりかえしは退屈なように見えても、作業する人たちの気持ちをひとつにし、仕事場での安全をみんなで確かめられるのです。

 グレッグ

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