|
|
| Oct. 11 1999 |
古い感謝、新しい感謝
99年10月11日、気温:12度、天気:雨、風:南西
出発地:平取(びらとり)町・二風谷(にぶたに) 北緯=42度37分42秒/東経=142 度08分55秒
到着地:鵡川(むかわ)町・春日(かすが) 北緯=42度35分00秒/東経=142度00分 00秒
歩いた距離:27Km(間違って歩いた6Kmを含む)昨日のレポートに登場する貝沢薫さんは、自分のことを普通の民宿のおじさんだ、といいます。そうなのかもしれません。でも実は自然と二風谷のアイヌの人たちの文化にとても詳しい方なのです。昨夜またお話する機会がありました。
貝沢さんはゆったりとイスに腰をかけ、奥さんは床に座って栗の皮をむいています。
「自然とどう向き合うかが、未来を変える重要なカギです」と貝沢さんは率直にいいました。「いったいどんな暮らしをしてるのですかと、環境問題の専門家に聞かれると、現代的な暮らしをしながら、必要なだけのものを使うようにしていると答えます。問題は現代社会の中で、私たちがどれだけやり繰りできるかということです」と貝沢さんはいいました。
「例えば、原子力発電は環境の中でも大きな問題です。私たちが暮らしていくには電気が必要ですが、原子力発電が必要なほどではありません。不必要な電灯を消せばいいんです。そういう方法でエネルギーの節約ができるでしょう。少しづつでも、みんなが節約すれば、原子力発電はいりません。他に、箱や包装紙も無駄が多いですね。結局はみんなゴミになります。買い物に行っても、ビニールの袋は貰わないようにしています。そういったことをよく考えます」と、自分なりの環境に対する接し方を話してくれました。
現代的な生活と子どもの頃教わったアイヌの人たちの伝統的な価値を調和させて、実行しているのです。「自然の豊かさの中で何世代も生きてきたアイヌの文化は自然を抜きに語れません」と貝沢さんはいいます。
「アイヌの文化ではすべてのものにカムイ(神)が存在します。私たちは、毎日の生活の中でカムイに、いろんな方法で感謝を表しているんですよ」と話してくれました。
昨日、一緒に山へ行って貝沢さんが酒をまいて山の神、川の神に捧げ、感謝するところを見ることができました(知恵だより028をみてください)。ただ、捧げるだけではなくて、山で遊ぶことを許してくださいと頼みました。それはただの儀式なのではなく、貝沢さんが日々実行してきた、自然に対する感謝のあらわしかたなのです。
「 自然の中で生きていて、自然の恵みを感じ取って自然に大事にする。感謝の気持ちをこめて自然を大事にしてください。これは私たちの未来にとって大変重要なことです」と貝沢さんはいいました。
全てのものに魂がやどっていて、自分の生活を可能にしてくれているそれらの魂に感謝するというのは、僕にとって新しい経験です。貝沢さんが表現した自然に対する感謝の気持ちは僕たちみんなにとって重要なことかもしれません。
グレッグ
![]()
Copyright World School Network & ECO-CLUB, 1998-99. No reproduction or republication without written permission.
この画面に掲載された記事・写真・イラスト等の無断転載を禁じます。すべての著作権はワールドスクールネットワークとエコクラブ、ならびにそれぞれの著作物の作成者に帰属します。Send feedback to info@wschool.net
ご意見、お問い合わせはinfo@wschool.netまで