知恵だより 044号

Oct. 26 1999

不思議なわらじと百万遍

99年10月26日、気温:5度、天気:晴時々曇り、風:東
出発地:浪岡町花岡公園=北緯40度42分46秒/東経140度34分23秒
到着地:津軽郡弘前市=北緯40度36分05秒/東経140度28分23秒
歩いた距離:19Km

村のはずれにあった百万遍の石

 色あせた木の柱にくくりつけられたわらじを見つけたことから、今日は青森県の民俗文化をたどる旅になりました。

 乾いて灰色になったその柱は歩いていた道のすぐ脇にありました。稲のワラと布きれのはなおでできたはきものが僕の目を引きました。道の両側には家並みが続いています。そして、家々のむこうにはリンゴ農園と野菜畑が見えます。西側にある広々とした田んぼはもう稲刈りが終わっていました。

 家の前庭で来年の春の準備をしていたおばあさんに、わらじについて聞いてみました。「ああ、あれは百万遍(ひゃくまんぺ)ですよ」と教えてくれたのですが、僕におばあさんのことばのなまりが理解できるまで3回きき返さなければなりませんでした。「春のお彼岸の頃になると、村の人がみんな集まって、大きな輪になったじゅずを運びます。あの柱のところに持っていって、みんなでお祈りをして、一週間のあいだ数珠を柱に巻き付けておくんです」

 そこから少しづつ歩いていくごとにそのわらじと百万遍について教えてくれる人を見つけるのはむずかしいだろうなと思いました。

 一キロほど先で出会ったおじいさんは百万遍が毎年行われる村の行事だということは知っていましたが、柱につけられたわらじのことは何も知りませんでした。「大きな数珠をみんなで持って、村の端から端まで歩くんです。その数珠には太い綱に結びつけられているんです」といいながら、小さな縄を使って、数珠と綱がどんな風につながっているのかを見せてくれました。「数珠を、村の端から端まで持って歩き終わったら、みんなで飲んだり食べたりするんですよ」ということでした。お話を聞き終わって又歩き始めると、村を出るところに百万遍と刻んだ小さな石がおいてありました。

 そのまま道を進んでいくと、出会う人ごとに少しづつ違う説明をしてくれます。「20人ぐらいの人が輪になって、数珠を回しながら祈るんです。自分の健康を祈る人もあれば、他のことを祈る人もあります」

大きな数珠がどんなふうに綱に結びつけてあるか教えて下さる加藤さん

 今日聞いた話はどれもおおきなパズルのちいさな一部分にすぎないようです。しかし、この付近の村々では少しづつ違ってはいても、似たようなやり方で春のお彼岸にお祈りをしているということが分かりました。

 民俗文化は底が深くとても興味深いものですが、それを全部理解することはとてもむずかしいだろうとおもいます。この先どれくらいの発見ができるか精いっぱいがんばってみます。

 みなさんの住んでいるところにもにたような民俗文化がありますか?

 グレッグ

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