知恵だより 045号

Oct. 27 1999

ゼロエミッションをめざす一家

99年10月27日、気温:9度、天気:曇り、風:西
出発地:弘前市=北緯40度36分05秒/東経140度28分23秒
到着地:国道28号の白龍神社=北緯40度33分24秒/東経140度16分57秒
歩いた距離:22Km

安東さんの三世代家族 弘前市で

 昨夜僕を暖かく迎えてくれたのは、ゼロエミッションをめざすリサイクルを一から始めた在日韓国人の一家でした。安東さん一家、三世代の家族がにぎやかにテーブルを囲む夕食は韓国風の焼き肉でした。

 「父がこの会社を始めた頃には、在日韓国人が選べる職業には限りがありました。私の父は鉄の破片をこつこつ集めて、暮らしをたてていました」と今の社長、安東国善さんはいいました。「第二次世界大戦の終わり頃、原爆が落とされる前の日に広島を出て、父は北を目指しました。そして戦後とても苦労してスクラップ会社を作りました」。それから安東さん一家は産業廃棄物を資源として役立てる賢い方法を開発したのです。

 スクラップから車の全体をリサイクルする事業へどう変わっていたのか、国善さんの息子、元吉さんが話してくれました。

これからシュレッダーで細かくされる電気ケーブルの山の前の元吉さん=弘前市で

 「まず、ガソリンやエンジンオイル、バッテリーやフロンガスなど有害物質を抜き取って、自動車はシュレッダープラントへ送ります。大きめの金属製のパーツを取り外したら、アルミやプラスティックやワイヤーなどその他の部分は全部シュレッダーを通して細かくされます。細かくなった金属片はアルミニウムやプラスティクは磁石を使ってより分けます」。それで終りではありません。細かくなったアルミニウムや銅、ワイヤーにかぶせてあるビニール、コンピュータ基盤などがより分けられてこの工場内で処理されるか、あるいは別のところで再利用のための処理をされるのです。

弘前川の清流を黒くしていたシルト(沈泥)

 その工場を見学して、まだ革新的な計画があることを知りました。「どんなに細かくゴミを分別したとしても、どうしても再利用できないものがでてくるものです。そこで、2000年からそういうゴミをエネルギーに変えるサーマルリサイクルセンターという施設を開業します」。

 ゴミを1350度で燃やせば、ダイオキシンが発生することもなく、埋め立て地もいらなくなります。自動車から取り出したガソリンやオイルでサーマルリサイクルセンターを動かすのに十分なエネルギーが生み出せるというのです。

新しいく生まれ変わるために細かくされた金属片、これから分別されます

 元気のよい安東さん一家との出会いに力づけられ、弘前から世界遺産の白神山地へと向かいます。弘前は城下町らしく、その古い伝統を語るお寺がたくさんありました。豊かな稲を実らせた田やリンゴの果樹園を通り抜けて進む僕を青森富士といわれる岩木山が見下ろしています。農家の人たちは田でワラを集めたり、リンゴの木になわをくくりつけたり秋野菜を収穫したりしています。本州の北に冬の足音が近づいているのを感じます。

 グレッグ

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