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| Nov. 6 1999 |
海の知恵
99年11月6日、気温:8度 天気:時々曇り 風向き:西
出発地:男鹿市船越駅=北緯39度51分31秒/東経139度48分41秒
到着地:秋田市川尻神社=北緯39度42分37秒/東経140度05分56秒
歩いた距離:24km
今日の漁獲を期待しつつ定置網を引く男たち=男鹿半島沖で 昨日の午前中、男鹿の漁業を経験しました。
地元の漁師さんらと海に出て、海の知恵を学び、僕の人生の中で一番新鮮な食事を漁師さんらと一緒にいただきました。
一緒に行く8人は、早朝の漁のために、浜辺の蕃屋(ばんや)に集まりました。日本茶を飲みながら、二階のストーブの周りに座っています。一人だけ、朝の海をじっと見ている人がいます。天気のなりゆきと、魚がどれだけ取れそうかを判断しているようです。その人は、魚はあまり期待できないようだと言われました。
「今日は海が荒れ過ぎているからね」
8人は防水のオーバーオールと上着を着て、船に向かいました。
エンジンがうなり、船はゆっくりとコンクリートの堤防からジグザクに進んで行きました。みんな、足を肩幅に広げ、腕を後ろに組んで、前方の海を見つめていました。僕はよろよろして、バランスを取るのに精いっぱいでした。
船が波止場に戻ってすぐサケやヒラメをさばく 男鹿半島西黒沢で 定置網に向かいながら、船長が言いました。「今日の風は北からなので、あまり魚は多く入ってないかも知れない。この網は別の風向きにあわせてセットしてあるんだ」。
早速、みんなは、網に向かって動き出しました。一人が、長いかぎを延ばして、網を引っ張りました。他の人たちも、網を引きました。やっと網が上がり、甲板には、たくさんのサケと、何匹ものブリ、ヒラメ、そしてクラゲがぶちまけられました。甲板をばたばたはね回る魚を素早くけ飛ばして、船の真ん中に作ってある水槽に入れました。
午前中4つの網を見て回りましたが、船長の予測通り、その日の漁は少なかったです。僕たちが獲った魚は、全部地元の漁業組合に持っていき、重さを計って、セリにかけるようにされました。
朝ご飯用に取っておいた何匹かの魚を持って、漁師さん達は船に戻り、海辺の蕃屋に向かいました。
サケの入ったおいしいみそ汁 魚はすぐに、まな板の上に乗せられ、二人の漁師が、使い込んだ包丁で料理し始めました。あっという間に、丸ごと一匹のサケが切られ、ヒラメ、ブリ、イカは刺し身になりました。こんなに新鮮で栄養たっぷりの食事なんて思いもしないことでした。
朝ご飯は、大ナベのサケの入ったみそ汁〔サケ、ブリ、ネギ、豆腐入り)、大皿に盛られた刺し身が、みんなの前に出されました。この贅沢で健康的な食事は、漁師さん達には、毎日のことなんです。
僕の漁師さんらとの経験は短かったけれど、僕は彼らの毎日の暮らしの知恵をいくつかつかみ取ることができました。
海岸すれすれの海底ちかくを移動するハタハタ用にデザインされた漁網。海面近くを泳ぐサケ用の漁網はまた違う形になっている=秋田県水産振興センターで 何にもまして、自然を読み取る力があるからこそ、こんなふうな暮らしができているのだと思います。「山が雪で三回白くなると、ハタハタが来る」といったような彼らの言葉は、自然を読み取り、自然の中で暮らす力がまだ残っていることを示しているのです。
また僕は、新鮮で、健康的で、しかも調理が簡単なサケのみそ汁に感動しました。最後に、定置網の技術は、長い間のつちかわれ、伝わった高度な技術です。網は、ある魚を、ある場所で取るように、それぞれ作られています。
男鹿半島の漁師の暮らし方は、長い年月、また多くの健康的な世代に伝えられてきました。僕の会った漁師さん達は皆強く、健康で、60代、70代の人もいました。悪くない暮らし方と思うけど、みんなはどう思いますか?
グレッグ
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