知恵だより 056号

Nov. 7 1999

海の知恵

99年11月7日 気温:8度 天気:晴れ 風向き:西
出発地:秋田市川尻総社神社=北緯39度42分37秒/東経140度05分56秒
到着地:本庄市松ヶ崎=北緯39度29分59秒/東経140度02分44秒
歩いた距離:25km

83歳の利部(かがぶ)さん、新屋の町で元気に暮らしています。この町の水が 彼女を大きく、丈夫に育てあげました=秋田市新屋で

 今日、秋田市から歩きながら、日本の健康と文化のかぎはすんだきれいな水にある、ということに気がつきました。

 地元の酒屋の店先に竹のつつがあって、そこを通って水が流れ出していました。何人かの人がその前に列を作って、持ってきたビンに入れようとしていました。まるで絵のように美しいわき水の横には看板があって、「長寿の泉『新屋の名水』」と書かれていました。僕が日本に来てから何年にもなりますが、、お酒を造るためには良い水がとても大事だという話を何度も聞かされてきました。

 水晶のように澄んだ水を手にすくって飲みながら、このような新鮮できれいな水を使ったら、どんなにおいしいお酒ができあがるのだろうと思いました。道をさらに歩いていくと、男の人が3リットルびんに何本も水を詰めているのを見かけました。これだけあれば、多分1、2週間はもつのでしょう。

 長寿の泉からほんの少し行ったところで、83才になるというおばあさんに出会いました。「水こそが私の健康の秘密です」とその人はいいました。その上で、水が健康にどんなに大切であるかについて、彼女は詳しく説明してくれました。

 「私はできるだけ水をたくさん飲むことにしています。そして家中をきれいな水で掃除します。それから熱いお風呂に入った後で、さらに水を体全体に浴びます。こうすると血液の循環が良くなるんですよ。水は私の宝物です。」

 このおばあさんが使っている水はありきたりの水ではなく、地方の酒造業やしょうゆやみそを作る人たちにとって大切な材料になるきれいで新鮮な地下水です。

2週間分の長寿の水をつめる地元の人=秋田市新屋で

 幸運なことに、350年もの歴史を持つみそとしょうゆを作っている会社を訪ねることが出来ました。

 12代目の社長の大門(だいもん)さんはこういいました。

 「うちの店はこのあたりでもっとも古い歴史をもっています。私のご先祖様は一番良い水がどこにあるかを知っていて、店をここに作ったのです。それ以来何代にもわたって、わが家はみそとしょうゆを作ってきました。この仕事はここに良い水があって初めて続けることが出来たのです。良い水がなければ、みそもしょうゆも作れません。こう考えると、良い水がなければ、日本の食卓に欠かすことが出来ない、みそもしょうゆも酒も作れないということなんですよ」

日本海へ流れ込む鮎川=国道7号線鮎川橋

 今日の経験で人が健康であるために、また伝統的な文化を支える食品つくるために水がどんなに大きな役割を果たしているかをはっきり理解しました。人間の体の約70パーセントは水であるという事実があり、文明多くが良質の水に恵まれた場所に集中しているということを考えあわせて、私は以前にも増して水資源保護の重要性を強く感じました。

 そこで、みなさんに考えてもらいたいことは次のとおりです。

  1. みなさんが飲んでいる水はどこからやってきたのでしょうか?
  2. 水はどのように利用されているでしょうか?
  3. 安心して水を飲めるようにするためにはどうすれば良いでしょうか?

 グレッグ

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