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| Dec. 6 1999 |
人かサルか
このおじいさんが、黒俣地区でのサルの被害について話してくれました=黒川 村黒俣で 99年12月6日 気温:5度 天気:雨 風向き:西
出発地:北蒲原郡黒川村=北緯38度01分19秒/東経139度29分46秒
到着地:新発田市東新町=北緯37度56分58秒/東経139度20分46秒
歩いた距離: 20kmカモシカや鹿が畑を荒らすという話をかなり前から聞いていましたが、きのうから今日にかけて、日本のサルが山村の人たちに被害を与えていることを知りました。しかも、20匹くらいのサルの群れに出あって、チョットしたにらみあいをしたのです。
黒俣は、新潟県の東北にある小さな山村です。第2次世界大戦が終わった頃には22世帯の家族が住んでいましたが、1960年代にこの地域をおそった大洪水から、住む人はいっぺんに少なくなってしまいました。15世帯の家族が残り住んでいますが、今ではそのほとんどがお年よりの夫婦か一人暮らしのお年よりです。その村の人たちが、サルからどんな影響を受けているか話をしてもらいました。
むこうの岡にサルがいるのです。20匹、いるのがみえますか=新発田市荒沢で 「人間が残るか、サルが残るかです」と、そのおじいさんは冗談のようにいいました。「今年は、サルにやられて、野菜がほとんど全滅でした。サルはまず野菜をねらい、時にはコメにまで手を伸ばすこともあるんです。」と言っていました。ちゃんとした手続きをとれば銃でサルをうち殺してもいいことになっているのですが、人間によく似ているサルをうてるような猟師はあまりいないそうです。「サルを殺さずになんとかできれば一番いいんですがね。」とその老人は話していました。
「サルが山を下りて村に姿を現すようになったのは、20年くらい前になるでしょう」と、あるおばあさんが話してくれました。「住んでいる人が多かった頃には、サルのことなんか大して問題にしていませんでした。ところが、今は私たちもすっかり年をとって、思うようにサルにたちうちできないようになってしまいました。サルは、30匹とか50匹とか群れになって昼間からやってくるんですよ」。今年は、ここ何年間かでも一番ひどいそうです。山や森で食べ物がじゅうぶん取れなかったからだろう、と村の人たちはいっていました。
サルが食い荒らしたと思われるカボチャの種=新発田市荒沢で きのう、僕はずっーとサルの姿を見のがさないように、じっと目をこらして、あたりに気をつけていました。今日の午後、ようやく願いがかないました。田んぼのそばを通りすぎようとしたら、山からの森と田んぼの境目のあたりから、キャッキャッというような鳴き声が聞こえました。何か灰色をした生き物が目に入ると、その動物は田んぼのまわりの用水路のかげに見えなくなったかと思うと、またすぐ姿にをあらわして、こんどは枯れ葉におおわれた山の斜面をすばしこくかけ登っていきました。
一匹見ただけでもびっくりしたのに、よくみると山の斜面には、なんと 20匹ほどのサルがいるではありませんか。その中のリーダーらしい一匹が近くに僕がいるから警戒するようにと、ほかのサルに注意しているのがわかりました。
遠くの雲と谷が美しい新潟の山なみの上に作りだした自然の窓=黒川村坂井 で (水の風景) もっとよく見えるところで、写真にとれたたらいいなと、そーっと斜面に近づこうとしました。サルは、僕が一歩前に出るたびに、逆にどんどん遠くの斜面の上の方へ行ってしまいました。サルたちは、明らかに人間に対して用心していました。近づくのをやめて見ていると、何匹かのサルはあ谷間が見渡せるような高い枝からまわりを見渡して警戒していました。他のサルたちはというと、山の斜面をおおっている落ち葉の色に見事にとけこんでいます。ほんの一瞬目に映ったサルは、まるでその丘の番人ででもあるかのように立派に見えました。
黒俣で教えてもらったことをいろいろと思い返しているうちに、サルたちのいたずらが地元の農家の人たちに影響を与えているのかなとおもいました。サルを残して山からとおざかりながら、カボチャの種の食べ残しが田んぼに落ちているのに気付きました。それを見て、サルたちが、このあたりをすっかり自分たちの領土してしまっているのだな、と思いました。
サルたちが元気になればなるほど、そこに住む人たち、特に黒俣のようなお年よりの多い地域には、とてもこまったことになるのだと思います。現在、人間が暮らしている場所や、あるいは食べ物を育てる場所が、サルたちがすんだりえさと取る場所とがすこしずつ重なりあいはじめている、そんな時代になったのだと思います。山にすむサルたちがえさに困ることのないようにするいい考えは、今すぐ僕には浮かびません。それでも、あるおじいさんは、人間とサルの両方にいい解決方法をみつけたいのだといいました。
皆さん、一緒に考えてください。そして、その考えを教えて下さい。人間とサルが一緒に、仲良く暮らしていけるようにするには、どんな方法があるでしょうか。
グレッグ
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