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| Dec. 7 1999 |
竹細工で80年
果物カゴと竹まくらを前にした小林さん=笹神村で 99年12月7日 気温:1度 天気:あられ、雪のち雨 風向き:北西
出発地:新発田市東新町=北緯37度56分58秒/東経139度29分46秒
到着地:北蒲原郡安田町=北緯37度46分12秒/東経139度13分55秒
歩いた距離:25.5kmこんなに移り気な天気は今までなかったと思います。雨が降ってるかと思えば みぞれになり、雪になり、かと思うと太陽がのぞきます。今日は、約80年もの間、 竹細工をしているというとてもめずらしい女性に出会ったことを紹介しようと思 います。
今朝、新発田市を出発したときはあられは降ってませんでした。西風がま横に吹いていました。それでも僕は歩き続けました。強い風に吹かれて僕の顔は感覚がなくなって、何時間もスキーで滑り続けているみたいでした。小さな弾丸のようなあられが、僕の上着に激しく当ります。シャワーのようなあられはあっという間に終わり、また次のあられのシャワーが来るのです。雨、雪、そして、あられは僕が笹神村にたどり着くまで僕を打ち続けました。
3本の手おの。79年間竹職人としての小林さんを支え、4人の子どもを育てる手助けをしてくれました=笹神村で 笹神村を歩いていると、女の人がふたり石油ストーブのまわりに座って、竹でできたカゴのようなものを編んでいるのがみえました。
その小さい工芸品を売っているお店にはいってみると、乾いた竹の香りでいっぱいでした。二人のおばあさんは座って、熱心に作業をしていました。ひとりが竹を薄く4枚に割いて、もうひとりが丸い形に編んでいきます。
小林ミドリさんのお話によると、笹神村には、かつて竹細工の職人がたくさんいたそうです。彼女はここで生まれ、6才のころから竹を編み始めたそうです。そして、あと 3日で85才になるそうです。「そうするしかなかったの。私たちが子どもの頃は両親を手伝うことが当たり前だったし、そうしなければ、私の家は暮らしていけなかったでしょうしね」と彼女は二コ二コしながら説明してくれました。おばあさんの明るさと柔らかな考え方を見ていると、とても 85才とは思えませんでした。
3指先に神経を集中して竹カゴを編みます。長年続けると、手の形もその作業にあうように変わってきます=笹神村 小林さんが初めておのを手にしたのは6才の時でした。「母に無理やりやらされたんです。ほかに道はなかったの。もうだいぶ昔のことだから。今では母には感謝しています。おかげで、私は4人の子どもを育て上げることができたし、私の楽しみになっているのですから」。彼女は手おのを一列に並べ、つかいこんですりへった刃をみせてくれました。
「プラスチックがなかった昔は、みんな竹の製品をとても重宝していました。いろいろ工夫して、ありとあらゆる形を作り上げました。お米ともみがらを分けるための大きなカゴは、本当によく売れましたよ。今では22もの形の違うカゴを作ることができます。いえ、お客さんがどういうものが欲しいか説明してくれればたいていの形の物は作れますよ」といいます。ごく最近のことですが、それまで作っていた鍋敷きの真ん中に細長い竹を一片付け加えました。そうすると、テーブルが焦げ付かなくなったのだそうです。彼女は 85才になりますけれども、とても元気で、工夫にあふれています。
小林さんのこの技術は一代では終わりません。彼女は老人ホームで教えています。自分の子どもたちにも教えています。熱心な彼女の仕事ぶりを見ていると、元気のなかったお客さんも魔法にかかったように元気になるように思えます。彼女は自分で楽しんでいるのと同時に、いろいろな世代の人々の技術を育てているのです。
私たちは小林さんから、ひたむきさやく、伝統的な竹の編み方を伝えているということ、さらに新しいものを作りだそうと努力していることなど、いろいろ学ぶことができそうです。
小林さんはまた、プラスチックを使うようになる前はさまざまな生活の道具に竹を使っていたことも話してくれました。このお話の中から、小林さんの技術は私たちの現代の生活に、特にプラスチックのゴミ問題の解決にはぴったりなやり方だな、と思いました。
みなさんは、今の生活の中で竹が利用できる方法を何か思いつきませんか?
グレッグ
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