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| Dec. 27 1999 |
炭は地球を救う
金子さんが、炭の浄化作用を説明するために炭で出来た小さなダムを見せてくれました=東村で 99年12月27日 気温:−6度 天気:晴時々曇 風向き:南西
現在地:群馬県勢多郡東村=北緯36度38分47秒/東経139度24分36秒
歩いた距離:0 km「炭が地球を救う」なんて日本に来る前に聞いても、まったく相手にしなかったと思います。でも、本気になって取り組んでいる人たちに出会いました。日本の公害の原点とされている足尾地区の山の中で、炭は未来を切り開こうとしてました。朝早くから竹を炭焼きがまに入れ、そのあとで炭が本当に地球の未来を救うことができるのかどうかを確かめてみました。
東村の94%は森におおわれています。巨大な草木(くさき)ダムのすぐ下にある丘の上に、わらべ工房があります。村の炭焼きセンターです。地域を活性化させ、地元の森の資源を生かすために作られました。
炭といっても、いろんな炭があるそうです。わらべ工房の金子さんが、竹から炭を作る準備をしていてくれました。土で回りを固めたドラム缶の中に、竹をきれいに並べて入り口をふさぎ、すきまから火をつけます。煙がドラム缶にそって立ち上り始め、煙突からも出てきました。手は泥だらけ、服は煙のにおいがしみついて、いよいよ炭焼きの始まりです。
炭が出来あがるまでには、8時間から9時間もかかります。この時間を使って、金子さんと、炭利用を進める仲間の一人の宮下さんが、炭からどんなことができるのかをいろいろと説明してくれました。
宮下さんが、カラマツの木のてっぺんを指差して、足尾地区が酸性雨の影響を受け始めていることを説明してくれました=待木村で 「炭は、空気をきれいにするのを助けてくれます。水もきれいにすることがわかっています。床や壁の中に入れておくことで、家の中の湿度を調整してます。それに、健康にいいいろんなものが炭からできます。『木さく液』は、風呂に入れてもいいし、肥料やにおい消しにも使われるのです」。炭の中にある無数の小さな穴の効果なのだそうです。この特長を使って、わらべ工房は、国際炭焼き協会や東村、それに関係するいくつもの団体と一緒になって、炭で世界を救うという夢に挑戦しているのです。
金子さんの車に乗って、わらべ工房の炭を使っている現場を見に行きました。コンクリートで出来た排水路を通って、家庭からの排水が渡良瀬川の支流に流れ込んでいました。良く見ると、炭がいっぱいつまったあみの袋が、底にしかれていました。金子さんは「ここを流れることで、家庭からの排水は浄化されていくのです」といいます。流れの上の方には、水の表面に泡がうすくできています。「炭には微生物のすみかに向いているので、微生物が活発になり、その微生物が水をきれいにしてくれるのです」。この小さな流れでの試みは、足尾地区での最初の本格的な水の浄化計画になりました。
水の浄化に用いられた炭は、次には足尾銅山の山奥にある植林場所に持ち込まれました。林野庁が金子さんや宮下さんのようなボランティアに管理をまかせている新しい光景を見に行きました。「水の浄化用の炭には、微生物がいっぱいついています。微生物がいっぱいついた炭は、酸性になってしまって微生物がずっと少ない足尾の土を回復させるカギとなっっています。炭そのもののアルカリ性と、微生物を増やす力が、かつての公害と現在の酸性雨で痛めつけられた足尾の森の再生のチャンスを与えてくれるのだと、宮下さんはいいます。
しっかり育った松の森の中に入ってみました。昨日、足尾の痛めつけられた森を見てきた目には、僕の身長の2倍から4倍の高さに育った木々にはびっくりしました。ほとんどの木は、植えられて30年ほどだそうです。
しかしその多くはまた宮下さんがいう酸性雨の影響を受けているようです。木々のてっぺんが枯れているのです。影響が出始めていると考えられています。30年前から復活し始めたものが、いままた新しい汚染に直面しているのです。足尾の森を復活させる試みに、また一つの障害が出てきたようです。
ちょっとした広場に出ました。40本ほどの苗が植えられています。シカに食べられないようにプラスチックの筒で保護されています。面白いことに苗の列ごとに違った土を使っています。もとのままの土、土と炭を半々、土が2で炭が1、土が1で炭が2という具合にさまざまな混ぜ方を試みています。炭の効果をこの苗木たちで測ろうとしているのです。
「出来るかどうかは別にして、21世紀は私たちが破壊してきた環境を復活させるために努力しなければなりません。この森は国民の森です。私たちが守らねばならないのです」と宮下さんはいいます。
みんな、環境をよみがえらせるために何の手助けが出来るでしょうか。
炭をみんなの家で何かに使っていますか。だれかが使っているのを見たことがありますか。
グレッグ
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