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| Dec. 30 1999 |
ゴミの上の公園
公園はちょっと見たところとてもきれいです。説明されなければ、この土地がゴミ処分場として使われていたとはとても思えません=宇都宮市長岡公園で 1999年12月30日 温度:4度 天気:晴時々曇 風向き:南
現在位置:宇都宮市・長岡公園=緯度経度測定できず
歩いた距離:0km宇都宮市の町中には、日本のどこにでもある騒がしい道路沿いの光景が広がっています。自動車ディーラー、スーパーマーケット、衣料品店、コンビニ、それに事務所ビルも並んでいます。そのぎらぎらした建物だらけの町並みからわずか2キロ離れたところに、静かな公園があり、そこに面白い市民活動がありました。「グリーントラストうつのみや」のメンバーと、遠藤さん一家、環境ネットワーク栃木のみんなが、この長岡公園とトラストが保護している地域について説明してくれました。
冬枯れの茶色い草におおわれた広い空間を見渡しながら、「ここが前、なんだったと思いますか」と青木さんがいいました。「広場」と僕はいいました。「そう、確かに広場なんだけど、1メートルも掘り返すと、灰が出てくるんですよ。ゴミ焼却場の灰を何年も捨てていた場所なんです」と青木さんはいいます。
公園の入り口から数百メートル歩いて、びっくりしました。何と今も灰捨て場は使われていて、さらに拡大しているのです。高さ1.5メートルの仮設の仕切りの向こう側にある丘に灰捨て場がありました。「この場所がいっぱいになったら、上をおおって、また公園にするのです。日本ではよく使われる方法なのです」と、遠藤さんはいいます。遠藤さんが所属するグリーントラストうつのみやは、この公園の隣の12ヘクタールの土地を守っています。いくつものワーキンググループが組織の中にあって、地域を保護するだけでなく、炭焼きや農作業、森の手入れなどさまざまな教育活動も展開しているのです。
公園の隣にあるグリーントラストの保護地域の土地の持ち主の一人、石川さんは、「この公園はずっと昔から灰捨て場でした。市はその灰捨て場をさらに広げようとしました。でも私はそれを断りました。しかし皮肉なことに、この地域を市も市民もみんなが守ろうと努力しているときに、あっという間に開発業者がやってきてブルドーザーで森をつぶしてしまったのです」。この一帯の緑を守るために決められた「緑地保全地域」の端にやってきました。かつて森が広がっていた丘で、すでに住宅開発が始まっていました。
公園とゴミ処分場。この処分場がいっぱいになると、公園部分がさらに広がることになります=宇都宮市長岡公園 開発か保護かという問題は、ほかの場所でも見られました。遠藤さんの子どもたちが、植林された杉の間を通って、見晴らしのいい丘に僕を連れていってくれました。広い土地が使われずに荒地になっています。約80年前の地図を見ても、地形はぜんぜん変わっていません。一時は大規模な開発が計画されたのですが、経済的な問題で計画は中断したようです。宇都宮市に近いことから、将来の値上がりを見込む人たちに細切れに売られました。何と、300人近くがてんでばらばらに区分けされたこの土地を所有しているのです。土地全体の将来のために全員をまとめるのは大変難しいことですが、すでに何人かの持ち主はとらすとのメンバーになっているのだそうです。
谷間を下りて、田んぼのへりを歩きました。田んぼの形は、何百年前の形をそのままにしているそうです。青木さんは、この風景の大切さを説明してくれました。「上にある森からわき出た水は、何世代にも渡って田んぼでイネを育てるのに、うまく使われてきました。暮らしの中にある『里山(さとやま)』は、農家にたきぎや、肥料を与え、田んぼへの水の貴重な供給源ともなってきたのです。鳥にも、野生動物にも、とってもきれいな植物たちにとっても大切な空間であったのです」
石川さんは、この地域の緑を守ろうしているグリーントラストの活動は、完全とはいえないけれども、日本での里山保護の大切なんだと強調します。「里山には、日本文化の精神がつながっているのです。もしも、里山が日本から完全になくなってしまえば、日本文化が大変なことになってしまいます。里山が消え始めてまだ 30年しかたっていません。何とかこの里山を次世代に引き継ぎたいのです。次をになう子どもたちが、受け継いだものをどうするのか見たいのです」。
公園とゴミ処分場。この処分場がいっぱいになると、公園部分がさらに広がることになります=宇都宮市長岡公園 グリーントラストは、市の支援を受けていますが、土地にかかる税金や高い維持経費などの問題がまだ残っています。「里山保護に対して市民全体が同じような意見を持てなければ、私たちはこれから何もできません。なので、市民や市会議員、それに国会議員まで、みんなにこの自然保護活動を体験してもらおうと思っているのです。それが一番いい解決方法だと思うのです」と、ほかのメンバーが話しました。
長岡公園もグリーントラストうつのみやの保護地域も、宇都宮市で生まれた小さな試みです。公園にみられるごみ処理問題は、マイナスの問題をなんとかプラスの方向にしようという試みです。また、グリーントラストうつのみやの保護活動は、開発が進む宇都宮での里山保護の試みです。
このふたつの試みは、都市の自然を守ろうとする市民の努力を示しています。この努力こそが、これからの都市での貴重な知恵の一部になるのではないかと思います。
ゴミ処理場の上に作られた公園をどう思いましたか。都市で自然を守ることは大切なことだと思いますか。
グレッグ
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